在宅ワークへの道

フルリモート派遣は学歴不問!スキル勝負の理由と派遣切りの現実

nagi

「フルリモートで働きたいけれど、正社員の選考は倍率が高すぎて通らない……」 「ブランクや学歴が原因で、書類選考すら通過できない」

在宅ワークを目指すとき、多くの方が「経歴やスキルの壁」にぶつかります。

フルリモートの雇用形態には正社員、業務委託、派遣など様々ありますが、その選択肢の一つに「フルリモート派遣」があります。

しかし、現実は甘くありません。特にフルリモート派遣は、通常の派遣以上に「経験者」が優遇される傾向にあります。 企業側は教育コストをかけず、すぐに自宅で自律して働ける人を求めているからです。

そんな厳しい世界ですが、高卒の私でも選考を通過し、お仕事を決めることができました。

実は、派遣特有の「氏名や学歴が一切伏せられる」という仕組みにヒントがありました。

この記事では、フルリモート派遣のシビアな現実と、学歴やブランクに縛られず「スキル」で勝負するための戦略を、私の派遣切りの実体験も交えて徹底解説します。

スキルシートに「学歴」や「氏名」は載らない

派遣会社を通じて企業に自分の情報が渡る際、使われるのは「スキルシート」と呼ばれる書類です。

この「スキルシート」は、徹底して個人のラベルを排除した内容になっています。

  • 氏名・詳細な住所: 伏せられます
  • 年齢・性別: 伏せられます
  • 学歴:項目自体がありません
    • 学校名、卒業年度、さらに「大卒・高卒」などの区分も載りません
  • 前職の企業名:具体的な社名は伏せられます
    • 「大手精密機器メーカー」「ITスタートアップ」といった「業種・規模」のみの表示

企業側に提示されるのは、「職務経歴」「資格」「OAスキル」、そして「何ができるか」という実務能力だけです。

「いい大学を出ているか」「有名な会社にいたか」で判断することが物理的に不可能な仕組みになっています。

なぜ情報を伏せるのか?「公平」を守る法律の存在

これには「労働者派遣法」という法律が深く関わっています。

労働者派遣法(第26条 第6項)

労働者派遣契約の締結にあたって、派遣先は、派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。

出典:労働者派遣法(e-Gov法令検索)

派遣先企業が、派遣されるスタッフを「事前面接」などで選別することは、法律で禁止されています(特定目的行為の禁止)

企業は「どこの大学を出たか」というラベルではなく、「明日から自宅で、このツールを使って業務を完遂できるか」というスキルのみで判断します。

これまでのキャリアや、ブランク中に磨いたスキルが、余計な先入観なしにダイレクトに評価される。これが派遣の最大のフェアさです。

在宅派遣を選ぶ「現実的なメリット」

単なる「条件の良さ」だけでなく、人生の選択肢を広げるための強力なメリットが4つあります。

大手企業の「学歴フィルター」を飛び越えられる

これが最大のメリットです。誰もが知る大手メーカーや有名IT企業は、正社員採用では「大卒以上」という条件が必須であることが多く、高卒や専門卒、あるいはブランクがあるだけで、書類選考の土俵にすら上がれないことが珍しくありません。

しかし、派遣であれば話は別です。企業側は「学歴という過去のラベル」ではなく、「明日から即戦力としてリモート業務を回せるか」という一点に集中して評価します。

面談では「自己紹介」が必要になりますが、学歴から伝える必要はないですし聞かれることもありません。(言う、言わないは自由ですが)

「何の仕事をしたか」のみ徹底して確認されますが、「具体的な会社名」を聞かれることはありません。

社会保険に加入でき、労働基準法に守られる安心感

業務委託(フリーランス)として在宅ワークを請け負う場合、健康保険や年金はすべて自己負担、トラブル時の保障もなく、毎年確定申告も必要です。

派遣の場合は、派遣会社の社会保険に加入でき、有給休暇、産休・育休、定期健康診断などの福利厚生が整い、年末調整もしてもらえます。

「在宅で働きたいけれど、保障も捨てられない」という家庭を持つ方にとって、派遣はリスクの低い選択肢になります。

「フルリモートの実績」が次のキャリアの看板になる

今の時代、多くの企業が求めているのは「教えなくても自宅で自律して働ける人」です。 一度フルリモート派遣で大手企業の業務を完遂した実績を作れば、それは自分の職歴に「リモート適応力の証明」として刻まれます。

この「実績」さえあれば、次の転職活動で正社員を目指す際も、もはや学歴ではなく「実務経験」で対等以上に渡り合えるようになります。

派遣会社が「条件交渉のプロ」として動いてくれる

派遣社員として働く場合、派遣会社が間に入ってスケジュール調整や条件交渉をすべて代行してくれます。

自ら動く必要がないので、精神的にもラクです。面談の際も担当者が同席し、進行役を務めてくれます。

業務に使用するパソコン送付の際は、派遣会社より「先方に住所開示してよいか」確認の連絡がありました。

すべての調整を派遣会社が間に入って交渉してくれるというメリットがあります。

派遣会社登録の際、「フルリモートがいいけれど、週に数回は家族の通院で中抜けが必要」といったデリケートな相談も、間に立つ担当者に事情を伝えておくことで、「その条件でもOK」という理解のある企業だけを事前にマッチングしてくれます。

現実を知る:在宅派遣の「シビアなデメリット」

フルリモート派遣には魅力が多い反面、特有のシビアな現実があります。ここを理解せずに入ってしまうと、数年後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。

「3年」という期限の壁(派遣の3年ルール)

派遣という働き方の最大のデメリットは、同じ職場で3年を超えて働くことができないという法律上の制限があることです。

労働者派遣法(第40条の2)

当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、派遣元事業主から三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けてはならない

出典:労働者派遣法(e-Gov法令検索)

同一の事業所において派遣労働者を受け入れることができる期間は、原則として3年が限度とされています。

この法律は、派遣という不安定な立場を固定化させず、直接雇用(正社員など)への移行を促すためのものですが、働く側からすれば「どんなに仕事に慣れて、人間関係が良好で、在宅環境が快適でも、3年で一度リセットされる」という残酷なルールでもあります。

3年が近づくと、企業側から「直接雇用に切り替えるか(正社員登用など)」、あるいは「契約を終了するか」の判断を迫られます。この期限があるために、常に「次」を考えながら働かなければならないのが、派遣の宿命です。

派遣切りのリスク(私の実体験)

派遣という働き方の最大の影は「どれだけ頑張っていても、自分の努力ではどうにもならない理由で仕事がなくなる」ことです。

実際に私も、かつて業績悪化を理由に、派遣スタッフと業務委託の全員がバッサリと契約終了(派遣切り)になるという目に遭いました。

なぎさんはとてもよく働いてくれているけれども、ほかの部署から「全員業務委託契約を終了するのに、経理だけ残すなんて不公平」とクレームがあり、やむを得ず直接雇用者以外は全員終了…とのことで派遣切りに遭いました。

自分のスキルが足りなかったわけではなく、ただ『外部コスト』として削られたときの虚無感は、今でも忘れられません。これが派遣という立場の脆さです。

ボーナスは「基本なし」と割り切るのが現実的

派遣社員には、正社員のような賞与(ボーナス)は原則ありません。まとまった金額が入るワクワク感がないのは、正直なところ寂しいものです。

これには、2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行された「同一労働同一賃金」という制度が深く関わっています。

同一労働同一賃金の原則

「同一労働同一賃金」は、同一企業内における正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

参考:同一労働同一賃金特集ページ(厚生労働省)

この制度により、派遣会社は「正社員と不合理な差をつけない」ことが義務付けられました。

その結果、多くの派遣会社ではボーナスを別途支給する代わりに、「賞与相当分をあらかじめ時給に上乗せして支払う(労使協定方式)」という形をとるようになりました。

つまり、「一括のボーナスはないけれど、その分が月々の時給に分割して含まれている」というのが、現在の派遣のスタンダードな仕組みです。

「見下される苦痛」と「チャットの疎外感」

精神面での最大の壁は、職場での「立場の差」が可視化されることです。

HSP(高い感受性を持つ)気質があると、相手のちょっとした言動から「派遣だから」と下に見られている空気を敏感に察知してしまいます。

さらに、フルリモート特有の「チャットによる疎外感」も無視できません。

正社員同士がチャットで楽しそうに身内ネタや雑談で盛り上がっていても、派遣スタッフという立場上、そこに入っていくのは勇気がいります。

「自分だけが別の世界にいるような感覚」や「馴染めない孤独感」は、在宅という密室空間だからこそ、より一層強く心に響いてしまうのです。

派遣切りなどの不安も一人で抱え込みやすいため、自分から積極的に派遣会社の担当者とコミュニケーションをとるなど、メンタル面のセルフケアも必要になります。

【実体験】派遣から大手企業の正社員へ「逆転登用」

ここで、私自身の少し稀なエピソードをお話しします。

かつて私が勤めていた大手メーカーは、普通に応募すれば「大卒以上」でなければ選考すら進めない会社でした。しかし、私はそこへスキルだけで「派遣スタッフ」として入り込みました。

入社後、「派遣だから」と下に見られることがあっても、目の前の業務に誠実に取り組み、スキルを証明し続けました。その結果、業務内容が評価され、正社員登用試験への推薦をいただき、正社員になることができました。

さらに、この会社で転勤族の夫と知り合い、結婚することができました。

「田舎で生まれ、田舎で一生を終える」と思っていた私の人生は、派遣という一歩を踏み出したことで、東京での活躍という全く想像もしなかった未来へと繋がったのです。

学歴フィルターがある大手でも、一度中に入って「実力」を見せることができれば、道が開けることがあります。

派遣を「学歴の壁を壊して潜り込むためのステップ」として活用した結果、幸運が舞い込んだ逆転劇でした。

まとめ

フルリモート派遣は、決して楽な道ではありません。3年ルールの不安、ボーナスなし、そしてチャット越しに感じる孤独。

しかし、それらを飲み込んだ先には、学歴や出身地の壁を壊し、人生そのものをアップデートするチャンスが待っています。

参考にしてみてくださいね。

ABOUT ME
なぎ
なぎ
部長
経理歴15年、完全在宅3年目。 大手メーカー・会計事務所・7年の専業主婦(兼ハンドメイド作家)を経て、現在は「ママ友0・通勤0・電話0」を実現。誰にも邪魔されない極低ノイズな在宅経理という天国に潜伏中です。 人当たりよく見せかけていても、内面は超・神経質で刺激に弱いHSP気質。15年の実務経験と、静かな自立の作法を綴る「思索ログ」へようこそ。
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